健康長寿・アンチエイジング研究委員会

各界の専門家たちが「健康長寿」「アンチエイジング」に役立つ情報を提供します

何歳まで働くと長生きできるのか

あなたは何歳まで働きたいですか? 60歳の定年後は仕事は辞めてのんびり田舎暮らしをしたいという方、長年働いた会社の再雇用で65歳までは働いて家計を支えたい方、一生涯なんらかの職を持っていたいという方など人それぞれかと思います。

人の価値観によって考え方は異なりますが、その価値観の違いを抜きにして、どのようなスタイルが健康長寿に資するかについて、本委員会の見解を示していきたいと思います。

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ギリシャでの研究結果

ギリシャでは約17000人を対象に「高齢者の在職状態を追跡調査する研究」が行われました。

この研究では、1994年〜1999年の在職状態を調査した上で、その後約8年間の生死や死因を確認しました。

その結果、調査開始時点においてリタイアしていたグループは、仕事をし続けていたグループと比べて、同年齢比較においても死亡率が1.51倍高かったのです。

また、リタイアした人の中でも比較した結果、退職した年齢が低い人ほど死亡率も高くなることもわかりました。

具体的には、リタイアが5年延びれば、死亡リスクは10%減る結果となったそうです。

この研究結果が示すことは「仕事をせずにのんびり暮らすよりも、仕事を可能な限り続ける方が長生きできる」ということです。

日本の厚生労働省の見解

日本国内のデータもあります。

厚生労働省は、長野県民の健康寿命が長い原因として、「高齢者就業率の高さ」を厚生労働白書で挙げています。

2017年10月1日時点の70歳以上の高齢者就業率の全国平均は男性33.9%、女性17.1%ですが、長野県は男性41.6%、女性21.6%で全国トップとなっています。

高齢であっても適度に働き続けることが健康長寿に役立つと、日本政府も言っているわけです。

ちなみに、高齢者就業率の世界比較では、日本はかなり優秀です。日本人の寿命が長い理由の一つとも言えるでしょう。

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<出典>内閣府統計局ホームページ http://www.stat.go.jp/data/topics/topi1133.html

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<出典>内閣府統計局ホームページ https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1033.html

なぜ働き続けたら長生きできるのか

統計上は、仕事を長く続けることが健康長寿につながることが示されているわけですが、それではなぜ、仕事が長寿に役立つのでしょうか。

その理由について本委員会として議論を行った結果、一番の理由は「脳への刺激と適度な運動が強制力を持って実行できるから」という結論に至りました。

例えば、面倒なタスクが目の前にあるときに「プライベートでは絶対にやらないけれど、仕事だからやる」というようなケースはよくあることではないでしょうか。

人は現状維持を好む習性がありますので、面倒なことは可能な限りやりたくない動物です。

高齢者の場合はなおさらでしょう。

しかし仕事であれば「義務感」が芽生え、面倒だからといって疎かにするわけにはいきません(なかには手を抜く人もいるでしょうが…)。

そういった意味で、仕事には「自分自身に鞭を打てる」効果があります。

自分自身に鞭を打つことで、脳が刺激され、なまっていた体も強制的に動かざるを得ません。

その結果、自然と体内が活性化し、若々しさを保持できるようになるのです。

このように、本委員会では仕事をと長寿の関係については「強制力」がポイントと考えます。

仕事のストレスはマイナスにならないのか

一方で懸念事項もあります。仕事といえばストレスが付き物ですが、それがマイナスに働くことはないか、という懸念です。

この点、本委員会では「ストレスのバランス」が維持されれば、問題ないと考えています。

学術界では「ストレスと癒しは紙一重」という説もあるほどでストレスも程度によっては健康長寿にプラスに働くと考えているからです。

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脳への刺激がストレスにならないように管理する

本委員会では認知症を予防するためにも「脳への刺激を増やすこと」を推奨しています。

しかし、それも度を超えてしまうと、ストレスになり逆効果です。

ですから、高齢になっても仕事を続ける場合は、若い時よりも率先して「ストレス管理」に取り組む必要があると考えています。

そのためにも、自分自身のストレスが発散される行為を早いうちから探し出しましょう。

たとえば、カラオケで大声を出す、運動する、音楽鑑賞、映画鑑賞、温泉に行く、旅行に行くなど、色んなストレス発散の方法はあります。

自分に合った方法をみつけて、定期的にその行為を行うようにすれば、ストレスで寿命が縮むリスクは減らすことができます。

まとめ

タイトルの「何歳まで働くと長生きできるか」の問いの答えは、「死ぬ直前まで働くと長生きできる」になります。

しかし、この答えの中には「適度に働く」という前提条件があります。

やはり高齢になればなるほど、肉体的な疲労は蓄積しやすくなりますので、フルタイムではなく週に3日の労働に止めるなど、あまり自分の体に鞭を打ちすぎないようにしていただければと思います。

ストレス管理と同様に「バランス」が重要です。

以上、参考になれば幸いです。