健康長寿・アンチエイジング研究委員会

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「結婚すると長生きできる」のは本当か

日本人の生涯未婚率の上昇傾向は続いており、男性については5人に1人が未婚と言われています。

2030年には未婚者の割合が3人に1人にまで増加すると予想されていますが、この状況を微力ながら改善させたいという願いから、今回は結婚の効果について、委員会の見解を示していきたいと思います。

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既婚者の寿命は長い



まず、結婚の効果としてなによりも言えるのは「寿命が長くなる」ということです。

国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、40歳時点で既婚者と未婚者の平均余命(1995年時点)を比較したところ、既婚者のほうが8年以上長いという結果が出ました。

また、アメリカのルイスヴィル大学が約5億人という膨大なデータを使って調査したところ、既婚者と独身者の平均寿命は男性で8~17年の差、女性は7~15年の差が生じたという事実もあります。

これらの調査結果が示すのは、結婚したほうが長生きできる可能性が高くなるということではないでしょうか(因果関係はとりあえず無視しておきます)。



なぜ独身者の寿命は短くなるのか



独身者と既婚者の死因をみてみると、がん、心臓疾患、脳血管疾患については差はほどんどありませんが、独身男性に多いのが肝疾患と事故です。

肝疾患について、第一に考えられるのはお酒の飲みすぎでしょうか。

これらを総合して考えると、独身者と既婚者の寿命の違いは「生活の質」が異なるからと言っていいでしょう。

独身者の食生活は乱れがちで、食事の時間、睡眠時間も一定ではないケースが多いことが分かっています。

体内時計が狂えば、寿命が短くなりますので、その結果が、既婚者と独身者の寿命の差として出ているものと考えられます。

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収入面の差も大きい



この「生活の質」は、収入に起因する部分も大きいと考えられます。

独身者は統計的に低収入の割合が高くなっていますが、収入が安定せず、「生活の質」が定まりにくいという原因もあるのではないでしょうか。

収入が低いと、重い病気にかかった際に高額な医療費が支払えないといったケースも出てくるでしょう。

医療費をケチった結果、早死にしてしまうということもあり得るかと思われます。

今の世の中、共働きがほとんどの時代ですから、結婚してダブルインカムで頑張り、家計を安定させるという結婚の長寿効果も侮れないものです。


男性は離婚すると寿命は短くなる



ここまで結婚の長寿効果について紹介してきましたが、実は結婚の注意点もあります。

それは「離婚」のリスクです。

実は、男性に限った話ですが「結婚した後に離婚した場合」は平均寿命は未婚者と比べて平均寿命は短くなるというデータがあるのです。

前出の国立社会保障・人口問題研究所の調査では、未婚男性の40歳時点での平均余命は30.42年でした。

これが、離別者(死別を除く)の場合、28.72年となっているのです。

離婚した人の死因は、肝疾患、事故、自殺が多くなっており、精神的ストレスが起因していることが窺われます。

ですので、結婚できたとしても離婚しないように家庭を円満にする努力を怠らないことが重要といえます。


女性は離婚しても独身者よりも長生き



一方、女性の場合はどうでしょうか。

実は、女性については未婚者の40歳時点での平均余命は37.18年、離別者の平均余命は40.49年となっており、男性のように逆転現象は起こっていないのです。

これらの数字が言えるのは、「未婚女性は躊躇せずに結婚に向けて邁進すべし」でしょうか(笑)。

確かなことは言えないのですが、女性の場合は結婚で得られる経済的な要素が男性よりも強いのかもしれません(離婚しても経済的なメリットは独身者よりもあると想定されますので)。


まとめ



今回、統計調査の結果を元に「結婚の長寿効果」について紹介してきました。

当然のことながら、あくまで「統計上」の数値ですので、結婚しても早死する人もいますし、独身で長生きする人もたくさんいます。

因果関係が明確ではないことを承知の上で、本委員会の見解として敢えて「結婚は健康長寿に資する」と胸を張って言いたいと思います。

本委員会の目指す健康長寿は、一人で長生きを目指すよりは、家族や仲間たちと一緒に健康長寿を達成することです。

今回の内容は、未婚の方には、おせっかいな内容となってしまい恐縮ではありますが、この考え方をどうかご理解いただければと思います。

以上、参考になれば幸いです。