健康長寿・アンチエイジング研究委員会

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コレステロールを悪者にしているのは製薬会社?

今回はコレステロール特集の最終回です。

これまでコレステロールが悪者であるとは限らないことコレステロール論争はポジショントークの嫌いがあることなどを紹介してきました。

そして今回は、さらにコレステロールの闇に迫っていきたいと思います。

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コレステロールは悪」という信仰

日本では「コレステロールが高いのは良くない」「高い人は下げるべきである」という考え方が根強いですが、欧米では少なくともそういう概念はないと言われています。

それは前々回に書いたように「コレステロール悪玉論」の根拠が見事に論破されたからです。

日本ではコレステロールに対する嫌悪感が根強く、動物油脂(≒コレステロール)を避けたいという心情から、健康的にはマイナスの植物油「サラダ油」が料理で使われたりしています。

これは世界各国の常識としては有り得ないことで、冷静に考えると、やはりおかしいです。



誰が正常な判断を鈍らせているのか

これだけコレステロール悪玉論は根強いのはなぜでしょうか。

その背景には、間違いなく製薬会社の影響があると言っていいでしょう。

世界で一番売れている薬はコレステロールを下げる薬と言われています。

「スタチン系」と呼ばれる一連の薬が世界中で広く使われており、コレステロール降下薬の市場規模は日本国内だけでも3000〜5000億円規模とも言われています。

その市場の恩恵を受けているのは製薬会社のみならず医者や病院です。

既得権益の問題が介在していることは認識しておいた方が良いと思います。

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コレステロール薬が売れまくる理由

スタチン系のコレステロール薬は、一度処方され始めるとだいたいは死ぬまで処方されることになります。

しかも何らかの病気にかかってから処方されるのではなく、コレステロール値が高いと判断されると、問答無用に処方されているのが実情です。

たとえ、元気であっても…。


寿命が延びるコレステロール薬?

スタチン系のコレステロール薬が売れまくっている理由には裏があります。

たとえば、シンバスタチンという薬の調査では、約4500人のボランティアを対象に4年以上にわたる追跡調査が行われました。

その結果、「寿命が延びる薬」という証明がなされました。

この「証明」結果に勢いを得た製薬業界は、データを宣伝に利用して世界中でスタチン系の薬を売りまくりました。


剥がれた化けの皮

しかし、この調査結果がとんでもないものだったのです。

調査論文においては、薬の効果を示す上で不利になるようなボランティアを最初から除外していり、腎臓障害などの副作用があったにもかかわらず公表していなかったりしました。

また、調査途中で治験をやめたボランティアの数が多数にのぼり、寿命が延びることは決して証明できるような調査結果ではなかったのです。

これらの事実経過に触れ、スタチン剤の処方をやめた医師もいますが、まだまだ医療現場ではスタチン系の薬がどんどん消費され続けています。


スタチン剤を使っていいケースとは

スタチン剤の効果は絶大で、コレステロールを下げるのには手っ取り早い方法であることは間違いありません。

そのため、健康診断の異常値の結果だけをみてスタチン剤を処方する医師が多く、その結果、薬漬けの患者は増え、製薬会社が儲かる仕組みが出来上がっています。

ちなみに、現行の医療ガイドラインでは、コレステロールの異常値が出た場合でも「まず生活習慣の改善を行ったあと」に、それでも改善しなければ薬を処方することとなっています。

多くの医師はそのガイドラインを無視していることになります。

ですので、いきなりコレステロール降下薬が処方されたら疑いの目を持ちましょう。



コレステロールは体質に左右される

そもそも、なぜコレステロール値は高くなってしまうのか、少し冷静になって考えてみましょう。

その理由は、体質と生活習慣が関係すると言われています(食事ではありません!)

腸からのコレステロール吸収が過剰であったり、血液中のコレステロール量をチェックする仕組みがうまく働かない体質の人が存在することが分かっています。

このような体質の人がコレステロールを多く含んだ食品を好んで食べていると値が上昇してしまうので、そのような人は「スタチン剤」が処方される前に意識して生活習慣を変えていく必要があるでしょう。

逆に言うと、それ以外の人はさほどコレステロールについては気にしなくても良いとも言えます。


普通の人が気にすべきこととは

以上のように、コレステロールそのものはさほど気にしなくても良いのですが、コレステロールの合成を促す成分」については気にした方が健康長寿には役立つと思います。

その代表は、飽和脂肪酸で、マーガリンなどの乳製品、パンや焼き菓子、スナック菓子や肉の脂に多く含まれます。コレステロール論争から離れて考えてみても、これらの食品の過剰摂取は健康長寿にとってマイナスといえるでしょう。

一方で不飽和脂肪酸を多く含むオリーブオイル、えごま油などは積極的に摂取する方が健康長寿につながっていくでしょう。

そのあたりは、本委員会の「食事部会」にて別の機会に詳しく紹介していきたいと思います。


まとめ

これまで3回にわたってコレステロールについて考えてきました(1回目:コレステロール値に一喜一憂しなくて良い、2回目:コレステロール論争はポジショントーク?(脂質栄養学会vs動脈硬化学会))。

この3回のまとめとして、本委員会の見解を示したいと思います。

コレステロールは悪」という考え方は幻想であり、その考えの裏には医療・製薬業界の闇が隠されている。

コレステロールを気にするくらいなら、別のことを気にすべきである。
(体質的にコレステロール値が高くなりやすく、生活習慣を変える必要がある人は除く)


以上、参考になれば幸いです。