健康長寿・アンチエイジング研究委員会

各界の専門家たちが「健康長寿」「アンチエイジング」に役立つ情報を提供します

どのスポーツが長生きに効果的かを考えてみた

健康寿命を延ばすためには、可能な限り「運動」を続けていくことが重要なのは言うまでもありません。

日本政府がスポーツ振興、特に「生涯スポーツ」に力を入れているのは、国民の健康寿命を延ばすためと言っても過言ではないでしょう(健康寿命が延びれば医療費が抑制されますので国の財政も助かります)。

しかし、運動を始めたいけれども、いったいどのような運動をやればいいのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。

本委員会では、改めて健康長寿に適した運動について考えてみました。

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スポーツ選手は早死

まず、前提として紹介したいのは、過度な運動の危険性です。皆さん、薄々感じているかとは思いますが、スポーツ選手の寿命は実は短いことが分かっています。

国立大学出身者の死亡年齢について、体育会系の出身者とそれ以外の人(文科系や理科系出身者)で比較したら、体育会系の出身者の寿命が約6年短かったというデータもあります。


なぜ過度な運動はダメか

激しい運動を行うと「活性酸素」という老化&障害物質が、一気に増えます。

活性酸素は体内の細胞を傷つけ、がんや生活習慣病の原因となってしまうのです。

これは身体を鍛え抜いたプロアスリートでも同じで運動のやりすぎにより体を老化させているのです。

また、ありとあらゆる生き物の生涯心拍数(生きているうちの心拍数の合計)は同じと言われており、心拍数が極端に高い状態が続く状態を長時間続けるのは寿命が縮んでいるという説も、生物学の世界や医学界でうたわれることもあります。

もちろん、強い運動は体を頑丈にする効果をもたらす面もありますが、本委員会の見解としては、過度な運動は絶対に避けるべきと考えます。

この点、最近のマラソンブームでランニングを始めた方も多いと思いますが、例えばフルマラソンなどは過度な運動の部類に入りますので、素人はやめた方がいいと思います。



どの運動・スポーツがいいか

では、過度な運動を避けつつ、健康寿命を延ばすためには、どのような運動がいいのでしょうか。

まずは、各運動について比較を行ってみたいと思います。

運動の度合いを定量的に示す数字として、METs(Metabolic Equivalents 代謝当量)というものが使われることが多いのですが、その数値を使ってみます。

1METSは椅子などに腰掛けた状態である安静座位の代謝量ですので、例えば2METなら座った状態と比べて2倍の運動強度といえます。

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独立行政法人 国立健康・栄養研究所:『身体活動のメッツ(METs)表』2012年4月11日改訂より抜粋

※括弧書きがないものは「全般」の項目を抜粋している


危険の少ない運動・スポーツを選ぶこと

グラフをで示された結果については、「だいたいそんなものかなぁ」という内容かと思います。

各運動にはそれぞれの運動強度がありますが、選択のポイントとして認識していただきたいのが「危険が少ない」ということです。

例えば、バスケットボールやサッカーなどは若者に人気のスポーツですが、相手との接触プレーがありますので、怪我のリスクが相当程度あります。なので、中高年が新たに始めるスポーツとしてはお勧めできません。

武道も素人にはリスクが伴いますし、自転車(サイクリング)についても交通事故のリスクがありますので、経験者以外は避けた方が良いでしょう。


お勧めは「テニス」か「水泳」

そこでお勧めの種目は「テニス」と「水泳」です。上のグラフをご覧いただくとテニスのMETSは7.3、水泳のMETSはのんびり泳いだ場合が6.0、クロールの場合が10.0と運動効率も相対的に高くなっています。

この2つの種目については、マラソンのように何時間もぶっ通しでやるものではなく、休憩を挟みながらマイペースで楽しめるメリットを持っています。

双方とも大人数で行う必要がありませんので空き時間に楽しめますし、テニスについては、初心者向けのスクールが充実していますので、始めるにあたったの精神的なハードルも比較的低いと思います。

ですので、どの運動・スポーツを始めるか迷った際は、テニスか水泳を選んでみてはいかがでしょうか。


「ゴルフ」のは効率は悪いが…

ここで誤解しないでいただきたいのは、テニスや水泳以外のスポーツをお勧めしないというわけではありません。

例えば男性の高齢者が趣味として挙げることが多いゴルフについても、運動効率は良くありませんし、費用もかなりかかります。

しかし、3〜4人のメンバーと何時間にもわたってじっくり会話しながらスポーツをできる環境は、他のスポーツにはないものです。

人の好みは様々ですので、上に書いたリスクを念頭に起きつつ、自分に合ったスポーツを選択すれば良いと思います。


まとめ

最後は玉虫色の見解になってしまいましたが、今回お伝えしたかった内容は「過度な運動は避けること」でしたので、そこだけは肝に銘じていただければと思います。

その上で、長く続けられる、自分にあった運動スタイルを見つけていただければ良いと思います。

以上、参考になれば幸いです。