健康長寿・アンチエイジング研究委員会

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カロリー表を見ると寿命が短くなる?

健康志向が強まる中、最近は包装された食品だけでなく、レストランのメニュー、スーパーのお惣菜などにもカロリー表示がなされるようになりました。

このトレンドに対して、本委員会は懸念を持っておりますので、今回は委員会としての意見を申し上げてまいりたいと思います。

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なぜカロリー表示がされるのか

カロリー表示の根拠としてまず言えるのは、包装された加工食品と添加物には食品表示法で栄養成分表示が義務化されており、その中に「熱量(カロリー)」も含まれているからです。

しかし、「包装された加工食品と添加物」に該当しない食材・食品については義務化はされていません。

それにもかかわらず、カロリー表が隆盛となっている理由は、なんといっても「ダイエットの需要」があることであり、また、日本政府が進めるメタボ対策も背景にあると考えていいでしょう。


エネルギー収支で体重が増減する

ダイエットの基本はとにもかくにも「カロリー収支の管理」であると言われているからです。

成人の摂取カロリーの目安は1800kcal~2200kcalとなっており、年代や運動量、体格によって細かい目安があり、基本的にこの数値は「消費カロリー」と同じと考えていいでしょう。

消費カロリー量と同じカロリー量の食事を続ければ、理論上、体重の増減はありません。

一方で、実際のカロリー摂取量が消費カロリーより多けれければ体重は増え、少なければ体重は減ります。

このロジックは間違っておらず、カロリー制限をすれば、理論上は必ず痩せますし、実際もほとんどのケースで減量となるはずです。

そういった意味で、カロリー表はメタボ対策を中心として健康管理においては、重要な情報なのです。


カロリーを気にして失うもの

しかし、本委員会では、この「カロリー信仰」が必要以上に蔓延するのは、あまりよろしくないと考えます。

なぜなら、カロリーを気にし過ぎると、おそらく食べるものバリエーションが減ります。

栄養も偏る可能性もありますし、 何よりも食べる楽しみが減ってしまうのではないでしょうか(高カロリーな食材ほど、食の楽しみが大きいのは、みなさん感覚値として持っていらっしゃるのではないでしょうか)。

恐らく、カロリーを気にされる方の「食べるのが楽しみ」という方も多いと思われます。

そして、極端なケースでは、「食べることが人生の最大の楽しみ」という方もいらっしゃるかと思います。

(自分自身を含め)そのような方々が、カロリー制限を行なった場合、減量効果より、精神的ストレスのマイナス効果の方が大きくなるのではないでしょうか。

本委員会の共通見解として、健康長寿は「生活の質」が高くてはならないと考えており、生活の質(=人生の楽しみ)を捨ててまで、健康長寿を目指すものではないと考えています。

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「カロリー表を見るな」と勧める医者もいる

本委員会の主張は、実は突拍子なものではなく、臨床医の方からも同じようなことを提唱されているケースがあります。

その一例として、医師であり小説家でもある志賀貢先生の言葉を紹介させていただきます。志賀先生は著書「医者のホンネ健康法」で次のように述べられています。

「健康に神経質になるあまり、人生にとって大事なものを失いかねないものがあります。『健康法を気にしすぎて、健康法につぶされるな。早い話が、カロリー表ばかり見て飯を食うな』というのが、私の医者としてのホンネ」


まとめ

今回は少し過激なことを言いましたが、誤解なきように書くと「生活習慣病になるまで食べろ」とまでは言っていません。

ものには限度がありますので、極度の肥満体型で医師から栄養管理が義務付けられているような人は、別の意味で「生活の質」がかかっているわけですから、その場合は素直にカロリー制限に従って欲しいと思います。

しかし、いわゆる小太り体質の方までが必要以上にカロリー表を見て食事をするのは反対です。

心の健康と体の健康の双方のバランスをとって、健康長寿を目指していくのが良いというのが、本委員会としての見解となります。

以上、参考になれば幸いです。