健康長寿・アンチエイジング研究委員会

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残留農薬はどこまで気にするべきか

「農薬」と聞いてみなさんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。ほとんどの方がマイナスイメージを持たれるのではないでしょうか。

農薬があるからこそ、私たちは安価で豊富な農作物を食べることができているのですが、食の安全を考える時にはどうしてもマイナスイメージを持ってしまいます。

今回は農薬をテーマに改めて食の安全について考えていきます。

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国が設定する残留農薬の基準とは

厚生労働省は、各農作物が商品として販売される段階における「残留農薬」について基準を定めています。

その基準は食品の種類ごとに異なっていますが、端的にでいうと「国が設定する基準を守っているのであれば農薬はほとんど残留しない」といえる基準です。

損失余命でいうと一食あたり10秒以下、仮にその食材を長期間にわたって食べたとしても「農薬」による健康被害は発生しえない、といえるレベルです。

これらの基準について継続的にチェックを行い、結果を厚生労働省のホームページで公開していますが、そこでは「本集計結果から、基準値超過の割合はいずれも低く、我が国で流通している食品における農薬等の残留レベルは十分に低いものと考えられました」と結論づけられています。

国は残留農薬基準を示すことで農作物が「安全」だとお墨付きを与えているわけです。



安全より安心が重要?

しかし一方で、福島の原発事故の際もキーワードとなった「安心と安全」の話で言えば、「国の言うことなんて信用できない」という方も多いかもしれません。

実際、周囲にはそのように考えて、高価なオーガニック商品しか購入しないという方もいます。

食品の安全性の問題を考える時に、一番の課題は国が定めたルールが適切であり、それが厳格に運用されているかが消費者には見えにくいということにあります。

そういった意味で、残留農薬の問題は「安全」よりは、「安心」と思うかどうかの方が重要といえるかもしれません。


国や自治体は信用できるか

では、国の基準やチェック体制、方法は信用できるに足るものか考えていきたいと思います。

国内に流通する農作物については、自治体が市場等に流通している商品を収去するなどして、自治体の監視指導計画に基づいてサンプル検査を行っています。

委員会メンバーの友人にこの検査に携わっている方がいますが、その方は「消費者の立場としても残留農薬について懸念はほとんどない。だから、残留農薬を気にして買うものを選ぶということはやっていない」と断言していました。

どのくらいの情報で「安心」と感じるかどうかについては、人それぞれですが、少なくとも委員会メンバーにとってその発言は十分な安心材料となっています。

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お役人たちは使命感を持って頑張っている

別の安心材料として半谷輝己さんが著書「それで寿命は何秒縮む」の中で書かれている内容も参考になります。

厚生労働省などで基準値や使用ルールを決めるような仕事をしている公務員の方々と、交わることがよくあるのです。そして、そういう場面で私が接した人たちは、誰もが「自分たちが国民の健康を守るんだ」という強い使命感を持っていました。最新の研究もフォローしていますし、消費者側が抱える不安についても、たとえそれがあまり科学的ではない不安であっても、しっかり情報収集し、そうした不安についても真摯に向き合おう、説明しよう、とする姿勢を持っているように私には見えました。
〜中略〜
少なくとも現時点では、この国の政府や役人は食品の安全を守ろうとする分野においては「いい仕事」をしている、というのが私の実感なのです。」

以上のような情報で、すべての方の不安が解消されるとは思っていませんが、安心材料の一つとしては有効と考えています。

このような情報を勘案しまして、普通にスーパーや八百屋で買う農作物については神経質になって買うものを選別する必要がない、というのが本委員会の見解です。


市場に流通していないものは注意

一方で、市場に流通していないものは、注意が必要だと思っています。

最近は家庭菜園が人気となっていますが、なかには安価な農薬を使うケースもあるでしょう。

それらの農薬はプロの農家が使わないような残留リスクの高いものである可能性があります。

そのほか、プロが作った農作物でも直で購入するケースなども、本当に信頼できるものであるかはきちんと判断を行った方が良いと思われます。

可能性として高くはありませんが、市場に流通できないものを直売で販売しているケースもゼロではありません

しかし、これらについても特に神経質にはなる必要もなく、国が設定した基準に対してチェック機能が働いていない農作物については、注意をして、食べる前によく洗って食べる程度の対策で十分リスクは減らせると考えています。


まとめ

今回は残留農薬について考えてみました。 本委員会の見解は以下の通りです。

残留農薬については神経質に気にするな。気にしすぎる方がストレスで寿命を短くする」


以上、参考になれば幸いです。