健康長寿・アンチエイジング研究委員会

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うま味調味料(化学調味料)とどう付き合うか

いろんな食品に入っている「うま味調味料」は、その昔、「化学調味料」と呼ばれていました。 名称を変えることでイメージアップを図ってはいますが(笑)、いまだにあまり良いイメージを持っていない人も多いようです。 今回は、うま味調味料との付き合い方について、本委員会の見解を紹介していきます。

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うま味調味料とは

うま味調味料を一言でいうと、昆布などに含まれる「うま味」の成分を抽出したもので、正式名称は「Lーグルタミン酸ナトリウム」と言います。 発明したのは日本人科学者・池田菊苗で、人間の味覚には「甘味・酸味・塩味・苦味」に次ぐ第5の味覚として「うま味」として提唱したことに始まります。昆布由来の「うま味」の主成分が「グルタミン酸」であることを発見し、「味の素」として製品化して世界中に広まりました。 いまでは、飲食店で出される料理やスーパーなどで売られる加工食品、お菓子など多くの食べ物で使用されています。 使用頻度で言えば、うま味調味料の摂取を完全に避けるのは不可能なくらい、世の中に広まっています。


化学調味料」のマイナスイメージ

冒頭で述べた通り、うま味調味料はその昔「化学調味料」とよばれていました。 うま味成分を人工的に精製した調味料ですから、「化学調味料」という言葉は、その特性をうまく言い表していると言えます。 しかし、この化学調味料(うま味調味料)が世の中に浸透するに従って、「体に悪い」「危険だ」という声が上がりました。 その典型が、「中華料理店症候群」の話です。

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中華料理店症候群とは

海外ではグルタミン酸ナトリウムのことをMSG(MonoSodium Glutamate|モノソディアムグルタメイト) うま味調味料の使用量が多い中華料理店で食事をした人々の一部が頭痛等の症状が出たことから、これをチャイニーズ・レストラン・シンドローム(中華料理店症候群)と名付けられました。 この病気の原因はうま味調味料が疑われ「うま味調味料は避けた方が良い」という論調が強くなったのです。 そのような疑いを受けて、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)は、うま味成分の摂取制限を行いました。


疑いは晴れたが…

その後、世界保健機関(WHO)や EUアメリカ食品医薬品局(FDA)などの公的機関によって「因果関係はない」と宣言され、疑いは晴れました。 公的機関が定めていた摂取制限も廃止されました。 しかし、今でもアメリカにおいては食品やレストランには「no MSG」(MSGとはうま味調味料のこと)と高らかに表記されているほどです。 この表記のないものは売れにくいというくらいに、悪いイメージが根付いてしまっています。 うま味調味料に対して悪いイメージを持っているのは日本人も同じではないでしょうか。


有名シェフのバックアップ

今では、その風潮が次第に変わりつつあります。 その後押しとなっているのが、有名シェフたちの発言です。 多くのシェフたちが「自分のレストランではうま味調味料を使っている」と宣言することで、状況が変わってきているのです。

アメリカの有名シェフあるデイビッド・チャン氏は「人工的に作られるものだから危険という考えは当てはまらず、人工物であるMSGが病気の原因になるという研究結果は出ていない」と述べています。

また、イギリスの有名シェフヘストン・ブルメンタル氏「MSGが有害だという説は古い迷信であり、MSG有害説を証明する論文はない」とコメントしています。


成分は天然由来と同じ

そもそも、昆布に含まれる天然のうま味成分と、うま味調味料も成分は全く同じです。 同量を摂取するならば安全性は同じなのです。 問題となるのは摂取量だけで、極めて大量に摂取すれば天然の昆布だしも有害になる可能性はありますので、やはりうま味調味料が危険とは言えないでしょう。


うま味調味料を摂取する家庭は肥満が多い?

「うま味調味料を避けた方が良い」と主張する方たちの中には、2008年に中国で行われた研究を根拠とするケースも見られます。 この研究結果は「料理にうま味調味料を使う家庭と使わない家庭を比較すると、使う家庭の方が肥満の人が多い」というものです。 しかし、この研究結果は、うま味調味料だけが原因ではなく家計所得に大きな原因があると思いますので、本委員会としては論じるに値しないと考えています。 (いうまでもなく、天然食材は価格高めですので、低所得者の方がうま味調味料に頼りやすくなるかと考えられるためです)



まとめ

今ではメーカー側も「化学的」なイメージを打ち消すべく、サトウキビを原料としてうま味調味料を製造するなどしており、より安心して使ってもらえるような努力をしています。 ここまで書いてきて、メーカーの提灯記事のような感じになりましたが、一切お金などはもらっていません(笑)

その点、どうかご理解いただいた上で、最後にお伝えする本委員会の見解は以下の通りです。

過去の「うま味調味料(化学調味料)が健康に悪い」という根拠は崩されている

うま味調味料を避けるために高価な天然食材を書い続けるお金の余裕があるのなら、そのお金は他の健康維持活動(運動、マッサージ、温泉など)にかけるべきである


以上、参考になれば幸いです。