健康長寿・アンチエイジング研究委員会

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栄養ドリンクを飲んでいいのは「非常時」のみ

体の疲れが取れない時、ついつい頼ってしまう栄養ドリンク。 眠気覚しに効果もありますし、「飲んだら自然とやる気が出てくる」と感じる方も多いのではないでしょうか。 しかし、「栄養ドリンク」は摂取量が増えるとリスクもあります。 今回は、栄養ドリンクについて、本委員会としての見解を紹介していきます。

なお、栄養ドリンクは大きく2つにわかれています。 医薬品医療機器法のもとで効果をうたえる「ドリンク剤」と、清涼飲料水の扱いとなる「エナジードリンク」があります。 エナジードリンクはあくまで清涼飲料水ですので、本稿では主に「ドリンク剤」の方を栄養ドリンクとして取り上げます。

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栄養ドリンクの主成分

栄養ドリンクを手に取ったとき「タウリン」という言葉をよく見かけると思います。栄養ドリンクのパッケージはその含有量が競うように表示されています、そのタウリンが栄養ドリンクの主成分となっています。

タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類に多く含まれています。

  

タウリンの働き

では、そのタウリンは疲れた私たちの体にどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。一般社団法人「大日本水産会おさかな普及協議会」が発行する「お魚便利帳」では、タウリンの効果は以下の通りと紹介されています。

・血液中のコレステロール中性脂肪を減らす。
・血圧を正しく保ち、高い血圧を下げる。
・肝臓の解毒能力を強化。アルコール障害にも効果的。
インスリン分泌を促進し糖尿病の予防・治療に有効。
・視力の衰えを防ぎ、新生児の脳や網膜の発育を助ける。

たくさんの効果がありますね。 しかし、よく内容を見てもらうとわかると思いますが、「疲労」を除去してくれるのかというと…そのような効果はありません。 実は栄養ドリンクは「疲労を除去するもの」ではなくカフェインなどとあわせてタウリンを摂取することで「疲労感を感じなくさせるもの」なのです。

栄養ドリンクは常用すべきではない

栄養ドリンクは、「疲労感を感じなくさせるもの」ということは、別の言い方をすると「体を一時的に騙すこと」とも言えます。
ですので、極度の疲労状態で一時的に体を楽にさせたい時などは効果が期待できますが、それ以外の状況、例えば「1日の終わりに疲労感をなくすために毎日栄養ドリンクを飲む」というような摂取の仕方は、意味がありません。
人間が騙されることに慣れてしまうからです。

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栄養ドリンクの糖分はアイスクリーム1個分

栄養ドリンクに含まれる糖分も注意する必要があります。栄養ドリンクには原材料表示で「糖質」「砂糖」「ブドウ糖」という記載が数多く見られます。
栄養ドリンクの糖質量はかなり多く、125ccの中に20g近い糖質が含まれているのが一般的です。 100gのアイスクリーム1つ分の糖質が20g程度ですので、いかに糖質が多いかがわかると思います。 疲れているとき、人間の体は糖分を欲してしまいますが、この栄養ドリンクを常用すると、糖分過多になってしまいます。

栄養ドリンクにはコーヒー1杯分のカフェインも含まれる

その他に注意すべき成分としては「無水カフェイン」です。無水カフェインはコーヒーなどからカフェイン成分を抽出し、水分子を取り除いたものです。
カフェインの過剰摂取すると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。
栄養ドリンク1本に含まれるカフェイン量は50〜80mg程度であり、この数字はコーヒー1杯くらいです。
栄養ドリンクを1本飲んだだけで過剰摂取にはなりませんが、カフェイン中毒のリスクがあることは認識しておいた方が良いでしょう。

栄養ドリンクの添加物

栄養ドリンクに含まれる添加物も注意した方が良いでしょう。 着色料、保存料、香料などが含まれることが多いですが、保存料のうち「安息香酸ナトリウム」 笹の葉や梅の実などにも含まれている「安息香酸」は防腐作用があることで保存料として使用されています。
実はこの「安息香酸」は、合成ビタミンCと反応すると猛毒の発がん性物質ベンゼン」が発生する可能性があるのです。
栄養ドリンクに含まれる安息香酸ナトリウムは微量ではありますが、ビタミンCのサプリメントを一緒に飲むと、胃の中で反応してベンゼンを生成させるリスクもあるということは、知っておいて損はないでしょう。

まとめ

以上、栄養ドリンクのプラス面とマイナス面についてみてきました。 どちらかというとマイナス面に比重を置いた書き方となってしまいましたが、けっして「栄養ドリンクの有用性」を否定するわけではありません。
栄養ドリンクは「ここぞという時に」飲めば、一時的に体を楽にさせてくれる効果があることは、栄養ドリンクに含まれる成分をみれば明らかです。
その反面、常用すると体を蝕んでいくリスクがあります。
本委員会の栄養ドリンクに対する見解は以下の通りです。

栄養ドリンクは緊急時に飲むと利便性は高いが、常用するのは危険

以上、参考になれば幸いです。